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待夢(紙ジャケット仕様)
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| 商品カテゴリー: | 歌謡曲,演歌,音楽,ミュージック,JPOP
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| 収録曲: | 秘恋, 黄昏, 嘆き, 酔いどれ船, 霧笛 (難船), 酒ともだち, ひとり芝居, 愚痴, 始発…まで,
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| セールスランク: | 9484 位
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| 参考価格: | 2,375円 (税込)
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『待夢』は宿命に点る仄かな灯火
このアルバムは、ちあきなおみがビクター時代に放ったオリジナル・アルバム『待夢』(たいむ、1983.9.21)の復刻版です。
初めてのCD化ではありませんが―他のアルバムと一纏めにされて『Another World』(2001.4.21)として発売―今回の復刻で当時の音源そのままの彼女のファドを味わうことができるようになりました。音質も良好です。
ファドはポルトガルの抒情歌ですが、「宿命」という意味もあるようです。ですから、未だにファドの女王と称えられているアマリア・ロドリゲスの歌声には、運命に抗う叫びにも似た、ひしひしとした響があります。
ちあきなおみが、これからどのような歌を歌おうか迷っていたときに貰ったというファドのレコードがアマリアのものであったかどうか、そしてそれが私の手もとにあるものと同じであるかどうか分かりませんが、『待夢』にはアマリアも歌った「黄昏」(原曲「孤独」)、「酔いどれ船」(同「かもめ」)、「霧笛」(同「難船」)、そしてアマリアを一躍スターダムに押し上げた「始発・・・まで」(同「暗いはしけ」)が収められています。
そこで、管見ではありますが、二人の歌うファドの違いについて少しく触れてみたいと思います。
アマリアの歌うファドが魂の歌と賞される所以には―伴奏に使われているポルトガル特有のギターによる民族的な薫りも手伝っているのでしょうが―その歌詞に負うところが大いにあるように思えます。極めて抒情的なのです。歌詞は歌にドラマ性を付与するものです。そして、その歌詞に相応しいメロディーが付けられて、そうして設えられた舞台の上でアマリアはドラマを演じています。彼女の少ししわがれた声と巻き舌による独特な節回しでもって、聴き手に感情をストレートに投げ掛けてきます。それはまるでスコールのようです。
一方『待夢』に収められたこれらの歌は全てアテブリ(メロ先)です。つまり原詞とは全く異なる日本語詞―それは原詞の暗示的・象徴的な、文学的とさえ思えるものに比べると、少しく叙事の勝る表現が採られています―が付けられています。
アマリアの歌が鮮烈であるがゆえに、どのように演じるのか興味津々でしたが、そこはちあきなおみのこと。それぞれの詞に相応しい、ときには呟きにも似た―そはため息か、はたまた呻吟かといった―表現でもって、湿気を帯びた女の心情を多彩な音色で染め上げて、私たちの琴線に働き掛けてきます。そこには唯“ちあきなおみの深く静かな世界”が広がり、その世界に包まれて、ゆっくりと、やがてしとどに潤されて行きます。
ちあきなおみは、ファドに接して「歌というのは、こういう風に、自分が心から歌いたいと思って、こう身体から出てくるもの」といった大切なことを思い出したといいます。このアルバムで私たちもそのことに気付かされる筈です。
ビクターエンタテインメント
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