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関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 14583 位
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江戸という一時代の始まりの経緯が分かります
「関が原の戦い」は有名ですが、恥ずかしながらどういった経緯で誰と誰が戦ったのか
よく理解していませんでした。
この本を読めば、徳川家康がどのようにして江戸幕府を開いたのかということが分かり、
非常に興味深く、良い勉強になります。
また人間は、「正義」や「理屈」だけで動かすことは難しく、
結局「感情」や「利益」によって動く生き物であるということを歴史が実証しています。
利に走った裏切りが無く、石田光成勢が勝っていたとしたら
今の日本はどんな風になっていたのか想像するのも楽しいです。
関ヶ原前夜の心理戦・情報戦をドラマティックに描く
司馬氏に他の作品と同じく、非常に解りやすくかつドラマティックに天下分け目の合戦に至る経緯、戦闘の状況、各関連人物の心理描写を、豊富な資料、根拠を基に大胆な氏の仮設を織り交ぜて縦横無尽に語る名作品であると思う。家康人生のダイジェスト版を描いた「覇王の家」が2巻にあることを考えると、その一場面にすぎない関ヶ原が三冊に上るとは、現在に至るまで日本のその後の歴史に多くの影響を与えた関ヶ原というテーマへの氏のなみなみならぬ、関心、情熱が感じられる。長編であるが氏の流れるような解りやすい文章はとても読みやすい。
何点か氏の仮説に疑問を感じる部分もあるにはある、
たとえば、小説の中で家康の謀略面の作戦参謀に大きな役割を果たした人物として描かれる本多正信が、西軍挙兵に対する家康の上方への出陣に対して、関東で迎え撃つべしとの消極論を唱え、逆に軍事専門家で謀略に疎い参謀家臣が上方への積極的進撃と早期決戦を主張する場面である。私は、この点は逆で、軍事専門家の参謀は補給戦の問題等から軍事的に有利とされるホームグラウンドでの迎撃戦を主張するのではないか。そして、逆に光成挙兵のお膳立てを行い、本作戦の謀略面での構想を立案・提案してきた本多正信は、鎌倉時代の承久の乱の北条政子や大江広元がそうだったように、寧ろ補給線への不安などの軍事常識を無視し、絶好の機会を見逃すべきではないと強硬に上方進撃を主張するはずであると思うが、この点他の読者諸氏はどのように推察されるであろうか。
ただ、このような未熟な想像を抱かせ、個人的な想像心・好奇心を刺激する意味で、やはりこの本はとても素晴らしいと思う。是非お勧めの一書であると思う。司馬氏の研究・啓蒙精神に強く感服する。
三成と家康
秀吉亡き後、徳川家康、本多親子が圧倒的で絶大な実力をいかに手中にしたか?
石田三成というNo1になれない男がNo1になったことの悲運さを
これでもかと読ませてくれる作品。
三成好きのほとんどの人が読まれている作品だと思います。
ですが、この後の司馬作品城塞のような、どうしようもない捨て鉢の
武士道で描かれた真田幸村のような爽快さはありません。
後にドイツの軍人メッケルが、この布陣は西軍の勝ちだと言い切る程の
有利さで敗れた敗因を描いた心に響く本。
魅力的な三成像を余すところ無く描ききった秀作
本作は司馬遼太郎の作品群の中でも一つの中核を為す言わば司馬戦国三部作とも言える「国盗り物語」「新史太閤記」の最後を飾る感動作です。
司馬遼太郎の初期から中期の小説を読む度に、主人公になりきって熱くなってしまっている自分に気がつく事が多いのですが、本書の場合はその傾向がひとしお強く、主人公である石田三成の「古今の大悪党、家康許すまじ」の情が切々と私の心に乗り移り、三成の苦悩を我が事のように感じました。
一般的には評価の高くない石田三成ですが、本作では本当に魅力のある人物として描かれています。司馬遼太郎の三成に対する思い入れの深さがひしひしと伝わってきます。特に、癩病を煩っていた大谷善継の飲んだ茶碗を誰もが忌み嫌って飲む真似だけをする茶会の場面で、三成一人がそれを大きく掲げて飲み干すくだりを読めば、誰でも三成のとりこになってしまうこと請け合いです。
また、数十万石あまりの小大名にしか過ぎない三成が、三百万石を超える大大名である家康に立ち向かう事など通常ではあり得ないことですが、権謀術数をめぐらして豊臣家から天下を盗み取ろうとする老獪な家康から豊臣家を守ろうとする三成の鉄の意志にも心打たれる物があります。判官贔屓もあるかもしれませんが最後まで正義を貫き通した三成のなんと魅力的なことか。
クライマックスは上巻
さまざまな人物の、関ヶ原にいたるまでの物語。石田光成と徳川家康の頭脳戦は秀吉死後まもなく始まる。関ヶ原はその結果に過ぎない。
お互いが、相手の次の手をわかっていつつ、あえてその流れを壊さない。どちらが、どこで流れをどうを変えるのか?この緊迫感がたまらない。そういう意味で、最も緊迫感があり、双方拮抗しているのが、『関ヶ原』では上巻にあたる。
裏の裏の裏…の裏をかいている手は、一見、悪手に見える。そんな一見悪手を楽しむ読み方も面白い。また、なぜ光成は負けたのか、という視点で読むのも面白いだろう。とにかく傑作!
新潮社
関ヶ原〈中〉 (新潮文庫) 関ヶ原〈下〉 (新潮文庫) 城塞 (上巻) (新潮文庫) 城塞 (中巻) (新潮文庫) 城塞 (下巻) (新潮文庫)
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